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牧師 指方 信平(さしかた しんぺい)
牧師 指方 愛子(さしかた あいこ)
説教

今日からアドベント。その語源には「到来、待つ」更に「冒険」の意味もあるようです。イエス様の十字架への大冒険の旅立ち覚える時でしょうか。東の方の占星術の学者も星を見て救い主の誕生を覚え冒険の旅に出ました。先日、夜空のスーパームーンを見て、宇宙の中心はどこかなと思い、調べると意外でした。138億年前にビックバンから宇宙が始まり、その起点が宇宙の中心と思っていたら違うのです。そこら中、どこもが宇宙の中心と言えるのだと。理屈は分かりませんが、イエス様が言われた「神の国はあなた方の間にある」と重ねられると思い、今日の聖書と題にしました。神の国は、私はイエス様がその中心におられるところだと思っています。マタイ18:20でも「二人または三人がわたしの名によってあつまる所には、わたしもその中にいる」と言われますから、どこの教会・伝道所、どんな小さな集会でも、イエス様を中心にした交わりがある所が、神の国の中心と考えてよいと思っています。イエス様は「神の国はいつ来るの?」の問いに対して「神の国はあなたたちのところに来ている」と言いました。

かつて日本で超教派による「神の国運動」が精力的になされました。1929年の昭和初期です。使徒言行録15章のエルサレム会議の精神を日本で生かしたいと、賀川豊彦、海老沢亮の両牧師を中心に「神の国運動」を全国に展開したのです。海老沢亮牧師は札幌農学校在学中17歳で北光教会初代の田中兎毛(とも)牧師から受洗、同志社で学び牧師になった人。戦前は日本基督教連盟総主事として神の国運動を推し進め、戦後は日本基督教協議会(NCC)初代総主事になります。神の国運動の北海道での働きを担ったのが田中兎毛牧師です。賀川豊彦牧師はどんな田舎でも神の国運動の兆しがあれば応援に足を運ばれた。神の国建設のための冒険の旅なのです。神の国を心から信じたからです。今も賀川牧師の辿った痕跡が北海道、全国の各地に残ります。以前いた山口の光市にも来ていた。江別のキリスト村建設に何度も来られ、今、閉鎖中の栗山教会の玄関にも賀川豊彦牧師の直筆の書が掛けられています。

私は以前、北九州小倉に20年過ごしました。「修羅の街」と揶揄されるようですが、とても素敵な町でした。62年前に五市対等合併というウルトラCで百万の政令指定都市となり、その複雑な利害関係をまとめたのが当時、若松市長を兼ねた若松バプテスト教会の吉田敬太郎牧師でした。牧師によって立てられた唯一の政令指定都市なのです。確かに元気な人は沢山いますが、修羅の街などではありません。父親は吉田磯吉という当時、日本三大任侠の一人と謳われた人でしたが、吉田敬太郎牧師は戦争末期、帝国議会で軍を厳しく批判、そのため刑務所に入れられ殺されそうになる中、獄中で聖書に出会い、牧師になった人でした。興味のある方は『汝復讐するなかれ』の自伝がインターネットに公開されていますのでご覧ください。市内を見下ろす街の丘には、朝鮮半島38度線を見つめる高さ20mのジュラルミン製の十字架(メモリアル・クロス)にまつわる物語、アインシュタインや佐々木小次郎とキリシタンの妻の話、キリスト教と関係する話等てんこ盛りです。

時間の関係で、西南女学院の話をして終えます。戦時中、ミッションスクールはどこも大変でした。西南女学院でも宣教師は強制帰国。女学院の丘に向かう道には残酷な立札が立ち並び、校舎は「国防上きわめて好ましくない建物」とみなされ、軍に没収。当時の原松太女学院院長は、同志社大学神学部で学んだ人。その頃、寮の学生に「ここも神のみ国なれば」ばかり歌わせるのです。学び舎も奪われ閉鎖寸前の絶望的な思いを、この讃美歌が原院長の心を支え続けたのです。どんな中に置かれても「ここも神のみ国なれば」。歌に込めた祈りが届いたのか、校舎没収で途方に暮れる原校長に、近くのお寺の住職が「お困りでしょう、内のお寺で良ければお使い下さい」と。それは住職も、檀家や軍関係者から睨まれるにも関わらず。

かつて同志社大学神学部の土居正俊教授はこういわれた。「教会は神の国の地上における象徴的存在。肉体をもった人間の集まりとしての教会は神の国ではないけれど、神の国を地上に映し出す役割をもっている」と。神の国に集う皆さんです。「ここも神のみ国なれば」、夫々与えられた馳せ場があります。入院治療に臨む方、大切な家族を失い途方に暮れる方、困難な仕事や受験に臨む方、様々な重荷を負っていましょう。神の国の到来を待ち続けるだけでなく、それを映し出す器として、キリストがなされたように、夫々に示されたアドベントの冒険に出かけたいものです。優れた伝道者を輩出した札幌北光教会のお働きの上に、指方先生ご夫妻や皆様の上に、インターネット配信で礼拝を共にする皆様の上に主の守りとお導きを祈ります。

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