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日本基督教団 札幌北光教会 日曜礼拝 木曜礼拝 牧師/指方信平、指方愛子

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◆狼の群れの中の羊
「わたしはあなたがたを遣わす」(10章16節)とイエスは告げ、12人の弟子たちを福音伝道へと派遣しました。しかし、「それは、狼の群れに羊を送り込むようなものだ」というのです。マタイによる福音書は、紀元70年にエルサレムがローマ帝国によって破壊され、シリアへと逃れたキリスト者たちの中でまとめられたと考えられています。イエスが弟子たちを派遣するこの箇所は、彼ら自身の厳しい現実が重ね合わされているのです。しかし、彼らはそこで恐れに囚われたまま、ひたすら身を隠し続けたというのではなく、時に蛇のように賢く、時に鳩のように素直に、福音を語り、身をもって証しすることをもって生き抜いていったのでしょう。12弟子と同じように平凡で何も持たない彼らは、それゆえ度々恐れや不安を抱いたことでしょうが、そのような者だからこそ、彼らを通してなされるすべてが神の業であることを鮮やかに証しできたのではないでしょうか。

◆畏神不恐人
「人々を恐れてはならない」(26節)。これは、単に人の目や批判を怖がるなという意味ではなく、「人間に過ぎない者を恐れるのではなく、あなたがたの主である神をこそ畏れよ」ということです。言い換えれば、「あなたがたが人を恐れ、臆病になり、不安や疑いに飲み込まれているのは、神を畏れることを知らないからだ、ということではないでしょうか。人は、その恐れや不安ゆえに、自分の弱さや脆さを何かで装い、紛らわそうとします。恐れは偽りを生み出します。しかし、神の前では自分を装っても全く意味もないはずです。「覆われているもので現わされないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはないからである」(26節)と言われている通りです。神はありのままのあなたをすべてご存知の方であるどころか、そのあなた自身を造り、生かし、愛しておられる方であるからです。「あなたは恐るべき力によって驚くべきものに創り上げられている。」「主よ、人間とは何者なのでしょう。あなたがこれに親しまれるとは。人の子とは何者なのでしょう。あなたが思いやってくださるとは」(詩編139、144)
しかし、このことがどれほど疎かにされていることでしょうか。神に知られ、愛されてある、この事実を畏れることを知らずして、互いに恐れと不信と偽りに覆われ、その恐れの暗闇の中で、他者も自分自身も見失って、互いに裁き合い、奪い合い、殺しあっています。人間のいのちの価値とか尊厳ということが語られますけれど、命の造り主である神への畏れ、神の愛への畏れなくして、それは本当には見いだされないものではないでしょうか。

◆あなたの使命
「わたしが暗闇の中であなたがたに言うことを、明るみで言いなさい。耳打ちされたことを、屋根の上で言い広めなさい。」
人間の恐れと偽りの闇の中で、その騒がしさの中で、まことに畏れるべき(また喜ぶべき)神の愛を告げ広めることが求められています。ここにわたしたち教会の、皆さん一人ひとりの使命があるということは忘れてはなりません。神の愛など語らせまい、証しさせまいとする力、そして、人間を恐れと疑いによって支配しようとする力が振るう中で、主イエスは、「わたしはあなたがたを遣わす」と言われるのです。

◆父なしに地に落ちることなし
主イエスはただ「行ってこい」と送り出すだけではありません。「2羽の雀が1アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない」(29節)
「お許しがなければ」は原文(ギリシャ語)には存在しません。訳出において付加された余計な言葉です。正しくは「その一羽さえ、あなたがたの父なしに地に落ちることはない」です。つまり、「一羽の雀が地に落ちる時にも、神は共にいてくださるのだ」ということが語られているのです。折が良くても、悪くても、たとえ羽が折れ、地に落ちてしまうような時にも、「わたしはあなたを見捨てない」との約束です。あの十字架の死の出来事は、まさにその愛を表わす出来事であったのではないでしょうか。神が人となられたこと、更に人の死をその身に負われたこと、そこに「どこまでもわたしはあなたと一緒だ」という神の決意が現わされています。そして、神のこの決意は、一羽の雀と共に地に落ちたら、それで終わりというものではありません。わたしたちは、キリストの復活という福音の中に生かされています。この主の愛と希望の中で主は私たちに告げておられます。「わたしが暗闇であなたがたに言うことを、明るみで言いなさい。耳打ちされたことを、屋根の上で言い広めなさい」。

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