札幌 納骨堂 札幌市中央区 貸し会議室 納骨堂/クリプト北光
日本基督教団 札幌北光教会 日曜礼拝 木曜礼拝 牧師/指方信平、指方愛子
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平和を実感するためには、まず恐れに向き合う必要があります。恐れは家族や職場、経済状況、健康状態、社会的不正義や差別的な言動から生まれます。サウロと主イエスの弟子たちは互いに恐れていました。サウロは、自分の過去の過ちを恐れ、弟子たちに受け入れられないことを恐れた。一方、弟子たちは、迫害者であったサウロが今も危険な存在かもしれないと恐れました。
けれども、聖書は語ります。神は人の思いを超えて働いてくださるのだ、と。神はバルナバという助け手を与え、サウロと弟子たちの関係を変え始めました。さらには、困難な現実に押し出されるようにして、サウロと弟子たちは、神が共にいて働いてくださることを再び信じ、協力しました。そのようにして新しい関係が作り出されていったのではないでしょうか。
一人の貧しい家庭出身の政治家のことを思い出します。彼は困難な状況を乗り越え、弁護士から政治家となり活躍しましたが、数限りないほどの政治的な弾圧や報復を受けました。肉体的にも危害を加えられたのですが、九死に一生を得ました。その経験から、彼は「人間が変わった」といいます。寛大になり、恐れよりも使命感が先立つようになった。あるがままを受け入れ、憎まないことが苦しみを少なくする方法だという理解に到達した、というのです。「生きるにも死ぬにも、わたしの身によってキリストが公然とあがめられるようにと切に願い、希望しています」(フィリピの信徒への手紙1章20)という聖書の言葉が思い出されます。
平和とは危険な状況が完全になくなることではなく、あるがままを受け入れ、神の御心を信じることから始まるのではないか。そのことを信じる一人になりたいと祈ります。
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