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日本基督教団 札幌北光教会 日曜礼拝 木曜礼拝 牧師/指方信平、指方愛子

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■「地」の塩、「世」の光
塩も光も、人間の生活にとって不可欠のものです。主イエスは、人々に対し、「あなたたちは一人一人がなくてはならない不可欠な存在なのだ」と呼びかけているのです。それは神様にとって不可欠な存在ということはもちろんのこと、この「地」「世」にとってあなたは不可欠なのだと告げているのです。塩には、様々な色・形がありますが、いずれにせよ塩気があればこその塩です。もしも塩気がなければ、それはただの結晶です。塩の本質はその塩気にある。それによって調味料として味をつけ、あるいは腐敗を防いだり、保存したり、引き出す効果をもっているものです。主イエスは、「あなたたちもこの世にあって必要不可欠な役目を持って存在しているのだ」というのです。例えば、人々の間にあって塩のように己を溶かし、すなわち遜って己を空しくし、この世の腐敗・不正義を質し、隣人に仕える、といった役割といえるでしょうか。
「あなたがたは世の光である。山の上にある町は隠れることができない。ともし火をともして升の下に置くものはいない。燭台の上に置く」と主イエスは言われました。これは当たり前の話です。光というものは、本来輝きを放つものであって、その輝きを隠してしまうならば光としての意味がないではないかというのです。同様に、あなたがたには、世の姿を照らし、他者を照らす光としての自分の役割があるのだというのです。

である・・・
そのようなことを言われると、誰もが、「自分にはそのような才能も適正もありません」と戸惑いを覚えるのではないでしょうか。しかし、注意したいのは、主イエスは「努力してそういう人間になりなさい」と命じているのではなく、あなたたは今ここで既に、地の塩・世の光である・・・と宣言しているということです。あなたが、地の塩・世の光としてどの程度その役割を果たすことができるかどうか可能性を問うているのではなく、そもそも、あなたという人間は、ただ自分自身のためではなく、世のために、他者のためにこそその存在を与えられているのだという気づきを与えているのです。

■神に応答するわたしとして
イエスはこの地における、他者のための、塩・光としての存在と人生を呼び起こそうとしています。もっと言えば、あなたには使命がある、責任があるというのです。「責任」を「義務」として受け止めるのではなく、「レスポンスィビリティ」として受け止めてみるとイメージは変わるでしょう。つまり、「レスポンス」(応答)です。わたしたちは虚無の中に産み落とされているのではなく、神に応答するものとして生きているのです。地の塩として、世の光としての他者のための働き、それがこの私という人間の神への応答なのです。
この世で、私たちがキリスト者として生きているということ、また共に教会を形成しているということ、それは、決してわたしたちの自己満足や自己保存や自分が高められるめではありません。むしろ、そういう方向をすぐに志向してしまう自分というものが砕かれ、解放され、地の塩、世の光として造られ生かされていることを知り、他者へと向かっていくためです。そのために、主イエスはいつもこの私に出会い、「あなたは地の塩である、世の光である」と何度でも私たちの存在の意味を気づかせようと呼びかけ続けられるのです。
ここで礼拝を守り、イエス・キリストに示された神の愛に触れ、赦しを、慰めを受け、安息を得、信仰の養いを得ることは大切なことです。しかし、そうして愛されてあることを原動力として、この私をどう用いるのか、そこが始まりなのであり、その自分を用いる働きが、一人一人を愛する神ご自身をこの世で証しするものとなって、人々が共に神をあがめるようになるのだというのです(16節)。
「神の恵み豊かに受け、神の民は勇みゆく。礼拝は終わった、その実は信じるものに授けられる。心の中にまかれたその種、行動の花をひらかせる。神は招き、愛は結び、み国のため働こう」(讃美歌21−91)。ここには、生活の場へと遣わされていくわたしたちの決意と告白が歌われています。「礼拝は終わった」、それは「やっと終わった〜」という受け止めではなく、「礼拝が終わり、さぁここから世にあって光としての、塩としての自分の働きが始まるのだ」ということの確認です。主がここからわたしを導き、どのように味を出させ、輝かせて用いてくださるかを期待し、自分を捧げて歩みだしていきましょう。

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