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ヨハネ福音書3章8節には、「風」、「霊」といった言葉が出てきます。日本語では訳し分けられていますが、旧・新約の時代の人々は風=霊と考えていました。目に見えない風には神様の力が共に働いているのだ、ということです。

さて、ニコデモという人が登場します。彼はユダヤ人たちの議員でした(1節)。ユダヤ人の中でも最高齢の人々のことを「長老」といいます。彼等は、人生の中で十分に経験を積んだ存在だとして、政治の務めを担っていました。ですから、議員であるニコデモも長老の一人です。また長老は、人生経験だけでなく、聖書の知識も豊富に蓄えた人々でした。しかしイエス様は経験も聖書の知識も豊富なニコデモに、「人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない」と告げます(3節)。若かろうが歳を取ろうが、神様はいつでも人を生まれ変わらせるのです。

ところで、ヨハネ福音書のイエス様は、しるしという名の奇跡を何度も起こします(たとえば5章、9章、11章)。しかしイエス様は、しるしを見て信じる人のことを、信頼しなかったとあるのです(2章24節)。この姿勢は、3章でも現れています。ニコデモは、イエス様がしるしを行っているのを知ったことで、この人は神様のところからやって来たのだと理解したつもりでした(1節)。それに対してイエス様は、先程の3節の言葉で答えるのです(新たに生まれなければ〜)。そのような姿勢のイエス様が人々の前でしるしを行う理由とは、何でしょうか。

その理由は、「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである(16節)」にとてもシンプルに、しかし深い理由があります。イエス様は、神様が愛しているその一人を見捨てることなど出来ないから、しるしを行わずにはいられないのです。ですから、しるしという目に見えるものに感心をもつのではなく、目には見えない神様の愛に、わたしたちが注目することをイエス様は訴えています。

イエス様はしるしや対話を通して、神様の愛を説きました。当時の社会全体の価値観としては、現代でいう人権だとか福祉の概念は無いに等しいものでした。現代では人権意識が当時に比べて遙かに高まっているとはいえ、それでも人権侵害はあとを絶ちません。ひとつの例として、部活やプロスポーツの分野での、体罰・ハラスメントの問題があります。指導者から暴力を受けている学生の様子を隠し撮りした動画が、頻繁に報道されていた時期がありました。その映像を観ていますと、高校時代に練習や試合で顧問の先生に叩かれた経験のあるわたしでさえも、心に痛みと怒りをおぼえます。日本における修練のひとつに、心や体に痛みを与える方法があります。そのような練習方法こそが正しいと長年思ってきた人々がいる一方で、悩み苦しんでいた人は、わたしも含めて現にいました。指導方法に何の問題も無いのではなくて、問題だと思っている人の声を知らないだけなのです。長い時間を掛けて、そのような指導方法が定着してきたのと並行して、辛い思いをしてきた一人一人の声が積み重なっていきました。その結果が、今日やっと、「それは指導では無い。体罰である、ハラスメントである」と、社会全体に響くまでに声が大きくなったのです。

あるいは「差別」の問題でも同じことが言えると思います。具体例を挙げきれない数の差別があります。少しずつ解消されている部分はありますが、差別は完全に無くなったと言い切ることは決して出来ません。また、とある言動は差別的だと気付いていないだけで、自分は差別をしたことは無い、と言い切ることも出来ません。差別と闘っている人や差別に苦しんでいる人はいまもどこにでもいます。一人一人の声は、いまは小さな声であっても、必ず人の心に響き、やがては世を動かす大きな力になります。

人々の人権意識の変化に敏感になること・追いついていくことは、一見すると「面倒なこと」かもしれません。ですが、この意識変化は、自分自身も人として大切にされて生きることにも関係します。声は、空気が動くことによって聞こえます。つまり、声も風のひとつです。始まりはたとえ弱々しい風であっても、必ず、人の耳にはっきりと聞こえる音を立てて吹くようになります。その風はどこから吹いてどこへ向かっているのか、わたしたちは知らないだけで、人々から蔑ろにされている一人の声は風となって吹き続けています。その声こそが、一人一人の命を重んじる意識をもたせるために、新たに生まれ変わらせるために、神様が与える霊なのではないでしょうか。わたしたちを生まれ変わらせる風は、いつでも、どこにでも吹いています。生まれ変わりの風の音を聞き、一緒に神様の救いの実現に参与しましょう。

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