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今日は地上に生きる私たちに最も近しい弟子たちの様子が描かれている場面です。イエス・キリストが3度目に「自分はこれから十字架に架けられて殺される」ということを弟子たちに話した直後の出来事です。「ゼベダイの息子たちの母親が、その二人の息子と一緒にイエスのところに来た」とあります。ゼベダイの子とは弟子のヤコブとヨハネのことです。今日登場をしてくるヤコブとヨハネの母親は、おそらくイエス・キリストと共に宣教の旅をしていました。

次第に弟子たちの関心は「誰が一番偉いのか」ということに変わっていくようになります。「だれが一番偉いのか」ということは弟子たちにとって共通の問いであり、ヤコブとヨハネの抜け駆けは許せないことでした。しかし今日注目をしていきたいヤコブとヨハネの母親は少し違います。イエス・キリストの前にこの母親がひれ伏したとき、「何かを願おうとした」という一文から想像するに、彼女の心には少なからずためらいがありました。当時の時代背景からいって、女性が「先生」と仰ぐ男性に意見するなど、ありえないことであり、大変にけしからんことでした。他の12人の弟子たちが「誰が一番偉いか」に関心をよせ、いつかイエス様に願い出ようと思いめぐらしていたのとは置かれている立場が異なるのです。

ヤコブとヨハネの母親にとっては、自分のすべてをかけて願いでた頼みでした。この群れからはじき出されるかもしれないという覚悟の上で語った言葉です。そこでイエス・キリストが語られたのは「あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、いちばん上になりたい者は、皆の僕になりなさい。」という言葉でした。母親からしてみると悔しい思いがこみ上げてきたことでしょう。「わたしが必死の思いでお願いしたのに、イエス様はきいて下さらなかった。」という残念さと悲しみさえこみ上げてきたことです。

実は、彼女は今日の箇所ともう一カ所、聖書の中に登場してまいります。今日お読みしたイエス・キリストにひれ伏し願い出る場面と、もう一つはイエス・キリストが十字架上で息を引き取る場面です。つまりヤコブとヨハネの母親は、イエス・キリストの生涯のなかで極めて重要な部分に立ち会っていたのです。この母親にとってイエス・キリストの言葉が力あるものとして響いてきたのは、十字架で殺されていく様を目の当たりにした時です。自分が願っていたエルサレムで王座につかれるという期待とイエス・キリストが歩まれた道はかけ離れたものでした。彼女の願いは叶えられなかった、自分は全人格をかけてお願いをしたのに、どうしてイエス様は答えて下さらないのか‥自分のなかにある正しさが打ち砕かれた経験といって良いです。しかし十字架という現実を目の前にして、誰よりも「皆に仕えるものになりなさい」と教えられたイエス・キリストの言葉を深く心に留めたに違いありません。なぜならイエス様ご自身が他者に仕える歩みをなさったことを目の当たりにしていったのです。

「皆に仕える者になりなさい。」イエス・キリストの言葉です。まさに名も記されていない、ヤコブとヨハネの母親は十字架の出来事によって、生き方が変えられていきます。人は変わっていく存在です。「自分の正しさ」を脱ぎ捨てたときに開ける道があります。わたしたちは自分の内にある正しさに縛られて生きています。時にそれは、自分の弱さや欠けを覆い隠すための「正しさ」であることもあります。自らの願いを失ってこそ、神の愛に触れることがございます。願いが叶わなかったからこそ、新しい道が開けていくことがあるのです。「皆に仕えるものになりなさい」というイエス・キリストの言葉は「愛に生きるよう努めなさい」ということです。愛に生きることは、自分のことよりも他者に仕える生き方です。日のあたらない生き方です。自分の持っていることを他の人のために手放していく生き方とも言えるはずです。自分の持っている持ち物や賜物を手放していくことは、貧しく、見窄らしいことのように見えてしまうかもしれません。しかしそれが、イエス・キリストが生き方によってしめされた「愛に生きる」という美しさなのです。レントの期間、わたしたちを縛り付けている「自分の正しさ」を脱ぎ捨て、自分のうちにあるものを他者のために手放してみてはどうでしょうか。きっと失うことから、新しい道が開かれていくはずです。

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