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2000年前のパレスチナに住む人が今日の物語を読んだとすれば、冒頭から仰天したに違いありません。なぜなら、重い皮膚病にかかった人が町にいるということは、当時の社会では決して許されないことであったからです。

なぜかと言いますと、重い皮膚病の人たちは、ひとたび病の宣告を受けてしまったら、宗教的な「穢れ」の状態にあると考えられたからです。「穢れ」とは、身体的な接触により伝染していくと考えられていましたので、人が集まる所に出入りをすること、町の中に入ることも許されなかったのです。詳しい規定や、病の説明などはレビ記を参照していただきたいと思います。このところで重要なのは、穢れた状態の人は無期限に社会から隔離されてしまうということ。つまり、友人からも、恐らく家族からも、見捨てられ、見放されて、全ての関係を断絶された本当の孤独の中をこの人が生きていたということです。

さらに、もう一つこの病の説明で付け加えたいのは、当時の常識の中で、病全般が神の罰だと考えられていたということです。ギリシア語で、「病気」という言葉は「刑罰・ムチ打ち」という意味も持つ言葉です。つまり、何か神に背くような罪を犯して、神に罰せられ、その結果、病を与えられた。社会の常識としてこのような理解がされていたということです。病の苦しみ、差別、家族も友人も失い、全ての人に見放されて、自分で自分を責めていく。彼は、病のために自分であることを喜ぶことができず、生きる喜びを感じることができない人生を生きてきたのです。

そのような幾重にも重なった苦しみに耐えかねて、彼は最後の希望としてイエスに会いに来ました。自分を囲む群衆の全ての人が自分に冷たい目を向けている。今にも暴行を受けるかもしれない。石を投げられるかもしれない。もしかすると、激怒した群衆に殺されてしまうかもしれない。そのような切迫感の中で、彼は人ごみの中に命がけで飛び込んで来た。それが、この物語の状況設定です。

「助けて」というのは、なかなか言い辛い言葉です。大人になれば大人になるほど、言い辛いなあと思います。善し悪しはともかく、自己責任という言葉が私たちの社会に蔓延しているからです。「自己責任」というのは、「困ったことになったのも、そこから抜け出すのも、全て自分の責任です。」そのような言葉だと思います。確かに、自分で自分の責任を取るということは社会に生きる上で大切なことですが、果たして私たちは、自分の生きる上で発生してくる責任を全て引き受けて生きることができるのでしょうか。今叫ばれる自己責任という言葉は、弱い立場にいる小さい人たちを見て見ぬふりをするために、私たちの社会から「助けて!」という叫びを奪うために、使われているように思えてなりません。

しかし聖書は、本当に苦しくて、辛くて、寂しくて、どうしようもない程に心が痛んだ時に、自分で立ち上がることができない時に、私たちは、「助けて!」そう言ってよい。そう叫ぶ対象があって、祈る相手がいて、そしてその方は、私たちのその祈りや、叫びを決して無視することはないと告げています。

今日の重い皮膚病にかかった人は御心ならば、と語りました。本来ならこの「御心なら」というのは「あなたがそのように望むなら」という風に訳されるべき言葉です。「もし、あなたが望んで下さるなら、私は病が治ります。」彼はそう願ったということです。同じように、イエスの答えも、本来であれば、「私はあなたが清くなることを望む」と訳されるべき言葉です。イエスが望んでおられるのは、皮膚病が癒えるということではありません。彼を孤独にして、彼が自分の命や自分の存在を喜ぶことができない原因が癒されることを望んだのです。自分の命や存在が喜ばれ、自分も自分であることを喜ぶことができるように。もう一度そのような交わりの中を彼が生きていくことをイエスは願ったのです。その願いを妨げている彼の病、人生の苦しみの根源に、イエス・キリストが手をのばして触れて下さった、それが今日の物語です。

重い皮膚病の人の叫びは、心の奥底にある私たちの本当の願いや叫びです。私たちの信じる神は、私たちの本当の痛みや、苦しみや、孤独に手を触れようとして下さり、私たちの願いが叶うことを御心として望んで下さっているのです。私たちが自分の命を喜び生きられるように、自分を捨ててまで私たちを愛して下さった方。それが私たちの信じるイエス・キリストというお方なのです。

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